食べものを必要とする人々と、資源として余る食品を橋渡しするフードバンク。その活動をさらに広げ、制度と協力体制を強化していくための対話の場として、認定NPO法人セカンドハーベスト・ジャパン(2HJ)は、毎年10月(=世界食料デーの時期)にフードバンクシンポジウムを開催しています。今年で18回目。2025年は「官民連携による日本の食品寄付の取り組み ~これからのフードバンク活動~」をテーマに、東京都・渋谷の国立オリンピック記念青少年総合センターで開催されます。
開催概要と参加方法
日時:2025年10月15日(水)13:00〜16:15(開場 12:30)
会場:国立オリンピック記念青少年総合センター(センター棟416号室)
東京都渋谷区代々木神園町3‑1参加費:無料
テーマ:官民連携による日本の食品寄付の仕組みと展望
後援:消費者庁
申込先:Web( → こちらの申込サイト )
なお、会場の席数には限りがありますので、満席時には参加できない可能性もあります。関心のある方はお早めに申し込みを。
注目プログラムと内容
シンポジウムは講演・説明・現場報告を交えた構成で、以下のようなセッションが予定されています(時間・内容は若干変更の余地あり)。
時間帯 | 内容 |
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13:00–13:10 | 開会・挨拶(2HJ CEO 芝田雄司氏) |
13:10–13:35 | 「食品寄付の受け皿としてフードバンクが目指すべきこと」 — 2HJ 坂本瑶子氏 |
13:35–14:00 | 「食品寄付を拡げるパートナーシップ」 — 農林水産省 鈴木学氏 |
14:00–14:25 | 「食品寄附ガイドラインおよびフードバンク認証制度について」 — 消費者庁 木之井文氏 |
14:25–14:55 | 休憩とネットワーキング |
14:55–15:20 | 「日本アクセスの食品ロス削減活動」 — 日本アクセス 工藤拓氏 |
15:20–15:45 | 「ケロッグ 社会貢献プログラム “Better Days Promise”」 — ケロッグ 山路真由氏 |
15:45–16:10 | 「食支援の現場から:埼玉県の子育て応援フードパントリー活動」 — 埼玉フードパントリーネットワーク 理事長 草場澄江氏 |
16:10–16:15 | 閉会挨拶(芝田雄司氏) |
このように、行政・企業・支援団体・現場の取り組みを幅広く取り上げる構成です。理論だけでなく現場の声を聞ける機会として、非常に価値ある時間になるでしょう。
なぜ「官民連携」がテーマなのか
フードバンク活動は、地域のNPOやボランティアだけで成り立つものではありません。食品提供企業、農業団体、行政、学校、物流会社などさまざまな主体が関わる必要があります。食品ロス削減の動きと合致させながら、余った食品や未使用食品を効率的に回すには、制度設計と協力体制が不可欠です。
今回のシンポジウムでは、政府側の制度(ガイドライン・認証制度など)も議題に上る点が特に注目されます。たとえば、「食品寄附ガイドライン」は、食品を提供する企業や店舗が安心して寄付できる枠組みを整えるものです。また、フードバンク認証制度は、支援の質や信頼性を高めるための仕組みとして期待されています。
企業側では、食品流通・小売業界の参加が不可欠です。日本アクセスのような流通企業が自らの物流網を使って、食品ロスを減らす取組を発表するプログラムが設けられているのも、官民連携の具体例といえます。
個人的に注目したいセッション:子育て支援と現場報告
私が個人的に特に注目しているのは、午後の部である「食支援の現場から:埼玉県の子育て応援フードパントリー活動」に関する報告です。子育て世帯は、食材の調達コストがかさみやすく、所得の変動に弱いため、フードバンクがいかに子育て支援につながるかを示す貴重な実例となるでしょう。
また、ケロッグの「Better Days Promise」といった企業の社会貢献プログラムがどのように食品寄付や地域支援につながっているのかを聞くことで、企業と支援団体の協働のヒントも得られそうです。
最後に:あなたにもできること
このシンポジウムは、フードバンクに関心のある人だけでなく、「食品ロス」「地域福祉」「子育て支援」「企業の社会貢献」などに関わるすべての方に価値があります。以下のような関わり方を考えてみてはいかがでしょうか。
参加して発表を聴く
自分の組織や地域で取り組める寄付や連携について考える
フードバンクの紹介やボランティア活動を促す(SNSで情報シェアするなど)
年月を重ねてきた第18回シンポジウムだからこそ、過去の経験を踏まえ、未来の活動に向けた議論が深まる場になることを期待しています。もしご希望なら、本ブログでも後日、シンポジウムのレポートをお届けしますので、ぜひご参加をご検討ください。