安心できる住まいがあることで、生活が変わる

ハウジングファースト

私たちは、住まいは基本的な権利だと考えます。
安心できる住まいがあることで生活(Life)が変わる。

不動産屋の立場からハウジングファーストを推進します。

ハウジングファーストとは

ハウジングファーストとは、ホームレス状態にある人の支援にあたり、「安心して住める住居を確保する」ことを最優先とする考え方です。

従来の支援では、ホームレス状態にある人を施設や寮などに一定期間住ませ、集団生活の練習をさせ、その後アパート入居を目指すという「ステップアップ」方式が採られてきました。実際に都内の行政機関では今もこの方式が採用されています。
「あなたにはまだアパート暮らしは早い」
「集団生活ができてから一人暮らしは考えましょう」
ステップアップ方式では、行政職員からこのようなことが言われます。精神障害や知的障害を抱えている場合、何らかの対人関係不全を抱えている場合など、この方式ではアパート生活に結びつくまでに多くの方が挫折してしまい、ホームレス状態に戻ってしまいます。


 

 

日本のホームレスの実態

2021年発表の厚生労働省 ホームレスの実態に関する全国調査(概数調査)によれば、現在わが国のホームレスの人数は全国で3824名とされています。これにはネットカフェや24時間営業のファーストフード店で過ごす潜在的なホームレスの数はカウントされていません。
日本の高齢化に伴いホームレスの高齢化も進んでおり、今後、医療が必要な方の割合は増えていきます。またコロナ禍による失職などの影響で若者を中心に「統計には反映されない」潜在的なホームレス者数も増えていくことが予想されます。

これらのホームレスの方々は東京や大阪など大都市圏に集中しています。
ホームレス支援は今後、大都市圏の課題としてますます重要になっていきます。


 

 

ハウジングファースト方式の支援

1990年代にアメリカで始まったハウジングファースト方式の支援は、従来の「ステップアップ」方式の支援に比べて有効であることが実証されています。
対象者が重度の精神障害や依存症であったりした場合にもしっかりと地域生活に結び付きます。長い目で見ると、社会的コストが減少することも明らかになっています。

ハウジングファーストでは安心できる「家」の確保を最優先に考えますが、他にも精神科医、看護師、ソーシャルワーカーなどがチームを組んで必要な支援を提供していく点でも効果があります。


 

住まいは誰が確保するか

ハウジングファーストにおいて「安心できる住まい」は誰が確保するのでしょうか?
民間が借り上げた住宅を無条件で貸し出す動きなどが少しずつ出てきていますが、住まいの絶対数はまだまだ不足しています。

ハウジングファーストでは行政機関、医療機関をはじめとしたさまざまな専門職がチームを組んでアプローチしていきます。だからこそ従来の方式よりも効果があるのです。専門職のサポートは大切ですが、住居の提供まで他分野の専門職に任せっきりでよいのでしょうか。
私たちは、住まいに関しては、地域の不動産屋が責任を持って確保すべきだと考えています。

住宅に困っている全ての人に安心できる「住まい」を提供したい。
このような思いから、不動産屋の立場で「ハウジングファースト」を推進していきます。


 

最近の記事