前科があると入居審査に落ちるのか?

今回は前科、つまり過去に犯罪歴があると保証会社の審査に落ちるのかについて解説していきます。

保証会社とは

保証会社とは、入居者が家賃を滞納した場合に、その滞納分を保証してくれる会社のことです。
連帯保証人を設定して家賃滞納を保証する場合もありますが、連帯保証人をお願いできる人が見つからない場合もあります。そのような時に保証会社を利用することが多いです。

また近年では連帯保証人を用意できる場合でも、保証会社の利用が必須の物件もあります。


 

 

保証会社の審査基準

保証会社には審査があります。
家賃滞納があった場合、保証会社が立て替えなければならないため、滞納やトラブルのリスクが高い入居者は保証会社としては避けなければなりません。そのために行われるのが審査で、審査に通過した人だけが保証会社と契約することができます。

審査で確認される主な項目は以下の通りです

  • 年収(収入に対して家賃が高すぎないか)
  • 職業(安定した職業か、正社員かどうか、勤続年数など)
  • 人柄や見た目(身分証、本人確認時の電話などで確認することが多いです)
  • 家賃滞納歴、信用情報(過去に家賃を滞納したことがあるか、クレジットカードの事故歴など)
  • 過去の犯罪歴

 

保証会社によって審査の厳しさは違う

審査の厳しさは保証会社によって違います。

厳しさのレベルは主に3段階に分かれます。

上に行くほど審査が厳しくなります。

この中で最も審査が厳しいのが信販系の保証会社です。信販系は、クレジットカード会社のグループ企業が運営しています。
個人信用情報(CIC)をクレジットカード会社間で共有しており、審査に当たってはCICが必ず確認されます。CICはクレジットカードの事故歴、スマホの滞納歴などが含まれます。カードに事故歴がある、自己破産したことがあるなどの場合は審査には通りません。

LICC系中程度の審査の厳しさです。LICC系は「全国賃貸保証業協会」の略称です。協会に加盟している保証会社同士で情報を共有しています。そのためLICC系の保証会社で家賃滞納やトラブルを起こしていた場合、審査には通らなくなります。滞納歴はおおむね過去5年程をみられます。

独立系最も審査がゆるい保証会社です。信用情報を他社と共有しておらず、その会社独自の審査基準を使用します。自己破産やカードの事故歴があったとしても審査に通過する可能性はあります。
ただし全く同じ保証会社で、過去に滞納やトラブルがあれば、当然審査には通りません。


 

 

保証会社は入居予定者の犯罪歴を照会できるのか?

上記の3区分の保証会社いずれも、入居者の犯罪歴を照会することはできません。たとえ最も厳しい信販系の保証会社であっても、一民間企業が個人の犯罪歴という極めてプライバシーにかかわる情報を調べることはできないのです。

しかし、保証会社の審査基準として「過去の犯罪歴」が挙がっています。いったい保証会社はどうやって犯罪歴を調べるのでしょうか?

保証会社は主に、ネットやSNSの情報からこれらの情報を調べています。なんらかの事件を起こすと、テレビや新聞、ネットなどに報道されてしまうことがあります。成人であれば実名で報道されることもあります。保証会社は申込者の名前をネットで検索し、このような報道の事実がないか調べます。検索の結果、犯罪の事実が出てきた場合、審査に通過する可能性は極めて低くなります。

ただし、全員の名前を確実に検索しているわけではなく、どのような基準で検索するかは保証会社によって異なります。
例えば身分証の人相があきらかに悪い場合などは、検索される可能性は高まります。


 

 

事件が報道されている、ネットに実名が載ってしまっている場合

事件が実名報道されてしまっている場合、保証会社の利用はあきらめなければいけないのでしょうか?

事件が報道されていても審査に通る可能性はあります。上に書いた通り、保証会社がエゴサーチを必ずするわけではありません。逆にエゴサーチさえされなければ、あなたの犯罪歴を保証会社が知る可能性ほぼなくなります。

実際のお客様で、性犯罪加害事件を起こしてしまい、実名が大きく報道されてしまった方がいました。その方は独立系のとある保証会社を利用しましたが、無事審査が通っています。その方は大手企業の正社員で勤続年数も長かったため、社会的信用が高いと評価され、エゴサーチを避けられたのかもしれません。

エゴサーチは運の要素が強く、対策としてできることは限られています。
人相が悪く見られるなどの場合、保険証など写真の無い身分証を提出するなどの工夫ができそうです。


 

 

保証会社は自分で選べない

前科があるので、少しでも審査通過の可能性が高い独立系の保証会社を利用したい。保証会社を自分で選ぶことはできるのでしょうか?

保証会社は物件ごとに大家さんや管理会社が決めているので、自分で選ぶことはできません。たとえ犯罪歴を調査されない保証会社を知っていたとしても、その保証会社の利用を入居者の方から申し出ることはできないのです。

ただし、大家さん、管理会社がどの保証会社を使っているかは事前に知ることができます。ですから、内見前に不動産屋さんに確認してもらうとよいでしょう。

前科がある、家賃滞納歴がある、カードの事故歴がある。お客様の状況によって使える保証会社は変わってきます。状況をありのままに話し、不動産屋さんに保証会社を選別してもらうことができれば最も確実です。通常の不動産屋さんではこのあたりの事情は話しにくいものです。「福祉のお部屋」なら複雑な事情にも、出来る限り対応していきます。心配な点は事前にご相談ください。


 

 

保証会社の審査が通ったとしても安心できない?

保証会社の審査が無事に通ったとしても、まだ安心はできません。
なぜなら管理会社、大家さんも入居者を審査するからです。

保証会社は主に収入面を重視して審査すると言われています。

入居後に長く付き合うことになる管理会社と大家さんは、人柄面を重視すると言われています。

こちらでエゴサーチされてしまえば、やはり入居は出来なくなってしまいます。こちらも保証会社の審査同様、対策が難しいです。
職業や収入面、人相などなるべく社会的信用が高いと思ってもらえるよう工夫してみてください。


 

 

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