横浜地裁で判決がありました。生活保護費の減額は「違法」
国による生活保護費の引き下げは生存権を保障した憲法25条に違反するとして、神奈川県の生活保護受給者らが減額処分の取り消しを求めた訴訟の判決が10月19日に横浜地裁でありました。
*写真はNHK政治マガジンより引用
https://www.nhk.or.jp/politics/articles/lastweek/90763.html
憲法25条には生活保護の根拠規定である「生存権」が規定されています。
第二十五条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
② 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
判決では原告らの訴えを認めて処分を取り消しました。
同種の訴訟は29都道府県で起こされています。減額処分を取り消した地裁判決は大阪、熊本、東京に続いて今回で4例目です。
判決は国への損害賠償請求は退け、減額処分が違憲かどうかの判断も下しませんでした。
厚生労働省は2013年〜2015年の間、デフレによる物価下落を考慮して「生活扶助」を引き下げて670億円を削減しました。
生活扶助は生活保護費のうち食費や衣服代、光熱費などにあてる給付です。
生活保護費の種類については、こちらのページも見てみてください
判決によれば、厚生労働省の物価指数について、生活保護受給者があまり買わないテレビやパソコンなどの高額製品の下落が大きく反映されていたと認定しました。最低限度の生活に関する厚労省の判断過程に過誤、欠落があることが指摘されました。
さらに国内消費実態を検討し、生活扶助が対象とする食費や光熱費は同時期に大幅に上昇していたことも指摘されました。