お部屋を借りる時にかかるお金 生活保護の場合

新しい生活の場を探す際、単に毎月の家賃だけでなく、その他に必要となる費用について知っておくことは極めて重要です。特に入居時の初期費用は、まとまった額が一度に必要となるため、注意が必要です。

この記事では、賃貸で必要な費用とその詳細について解説します。予算を超えないためにも、何にどのくらい費用がかかるのか把握した上でお部屋探しを始めてみましょう。


1. 毎月かかる費用

賃貸では、入居時にかかる初期費用以外にも基本的に毎月支払いが必要となる費用があります。そのため、無理のない範囲で毎月の支払い額を抑えることが必要です。

  • 家賃: 家賃は、賃貸物件を借りる際に毎月家主に支払う料金です。
  • 管理費・共益費: これは共有スペースや建物の維持・管理、清掃、修復に使われる費用で、1ヵ月ごとに支払います。注意が必要なのが、生活保護の場合、管理費・共益費は住宅扶助からは支給されないということです。管理費・共益費は生活費から自己負担する必要があります。
    管理費・共益費について詳しく知りたい場合、こちらをご覧ください。
  • 駐車場・駐輪場代: 駐車場や駐輪場を借りる場合、かかる費用です。生活保護の場合、原則として車やバイクの保持は認められないので、駐車場代はあまり考慮に入れる必要はないかもしれません。自転車を利用している場合、駐輪場があるか、駐輪場代がかかるかどうかは考える必要があります。
  • 自治会費・ケーブルテレビ料: 物件によっては自治会入会が必要だったり、ケーブルテレビ料が必須の場合があります。確認しておきましょう。

2. 入居時に必要な費用

  • 敷金: 敷金は滞納家賃や損害賠償の費用を保証するもので、契約時に家主に預け、退去時に修復等があればその金額を差し引いて返却されます。
  • 保証料: 保証料は、連帯保証人を立てずに賃貸物件を借りる場合に、家賃保証会社の利用料として支払うものです。多くの場合、家賃の半額~1ヵ月分となり、契約内容によっては1年か2年ごとに更新料が必要となります。なお、生活保護でお部屋を借りる場合、連帯保証人は不要で保証会社が必須という物件が多いように思います。
  • 礼金: 礼金は、家主に対する謝礼の意味を含み、契約時に一度だけ支払いますが、退去時には返還されません。
  • 一時金: これは賃貸契約をする際、家賃とは別に支払う一時的な金額です。契約締結後および退去時には返還されません。
  • 仲介手数料: 不動産会社を介して賃貸契約をした場合、その手数料として支払うお金です。通常は家賃1ヵ月分かかることが多いです。
  • 修理費分担金: 退去時の修理費用などに充てるため、あらかじめ支払うお金です。退去時には返還されないことに注意が必要です。
  • 保険料: 住宅自体や家財に何かあった時に補償を受けるための保険料です。加入する保険によって費用は異なります。生活保護の場合、火災保険料は契約時に役所から支給されます。

3. その他に必要な費用

  • 更新料: 契約を更新する際に家主に支払う費用です。長年住むことを考えると必要になることが多いため、確認しておくことが重要です。生活保護の場合、更新料は更新時に役所から支給されます。


これまで紹介してきた費用をまとめると、入居時に必要となる初期費用は平均で家賃の約4.5~5倍程度となります。例えば都内23区で一人暮らしをする生活保護受給者の場合、家賃上限額は53,700円に設定されています。それを考慮すると、初期費用はおおよそ25~30万円程度は想定しておくとよいでしょう。

物件を探す際には、ただ家賃だけを考慮するのではなく、これらの初期費用もきちんと見越して計画を立てることが大切です。物件によっては、敷金・礼金なしなど、初期費用を抑えることが可能な場合もあります。そのため、不動産会社としっかりとコミュニケーションを取り、自身の予算に合った選択ができるようにしましょう。

生活保護の受給者の方々は、上記で述べた各種の初期費用や月々の費用に対する支援が住宅扶助というかたちで役所から提供されています。物件の図面や見積もりをもらった段階で担当のケースワーカーに一度報告するなど、通常の契約と異なる流れもあります。また、これらの流れは自治体によって少しずつ違ってきます。
心配な点、不安な点はや役所や福祉事務所に直接問い合わせてみてもよいでしょう。


 

 

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